• ゆっきー監督

ゆっきー監督のサブカルチャー談義3

始めたばかりのサブカル談義ですから、積極的に書いていきましょう。


百年の孤独、インランドエンパイア、となんとなく文学、映画の順で語ってしまいました。別に甲乙つけているわけではありません。


順番どおり書いていくつもりは一切ないのですが、なんとなくこういった流れになってしまったので、今日は音楽について語りましょう。



今日の談義はローリングストーンズのライブアルバム「ラブユーライブ」です。1977年の発売されたライブアルバムです。


ローリングストーンズの話をすると、嘘ではなく毎日話しても永遠に終わらないので、雑多な情報を求めている人はぜひウィキペディアを参照してください笑。


まず歴史的背景を簡単に説明すると、1960年代に大衆に溶け込んだ「ロックンロール」と呼ばれる音楽ジャンルがありました。もちろん50年代、もしくはその前からその産声は聞こえていたのですが、明確に世界中でその言葉が認知され一般大衆に届いた、つまり売れたのは60年代です。


その始祖の名はエルビスプレスリー。チャックベリーやリトルリチャードなどもそうですが、あくまで一般目線での話です。大衆を相手にした時、まぎれもなくエルビスこそがロックンロールの始祖です。


エルビスこそがロックンロールの答え、という声はいまだに多いです。エルビスももちろん僕は心から敬愛しています。


ただし一つだけ弱点がありました。エルビスにもチャックベリーにも、です。時代性もありますが、彼らはミュージシャン、シンガー、であり「アーティスト」にはなれませんでした。作詞、作曲、アレンジ、などをより深く追求する姿勢を持つことは彼らの全盛期では不可能でした。これは決して彼らの能力の問題ではなく、単に新しい音楽を生み出すことをまだ時代が許さなかったのです。そういう時代だったのです。なにせパンクが生まれる20年も前の話ですから。


そしてたった一つの「ロックンロール」という看板だけを背負って活動していた彼らに水を浴びせるバンドが60年代にアメリカに上陸したのです。


それがビートルズ。


ストーンズではありません。


それまでの固定概念を全て壊したのがビートルズです。


その話はまたの機会にしましょう。


ビートルズがイギリス、アメリカで売れたことをきっかけにして、言うなれば追従する形で現れたのがローリングストーンズです。


ビートルズが当時、アイドル路線で売ろうとしていたカウンターとしての存在がストーンズです。粗野で不良のようなイメージのストーンズ。一方いつも笑顔で、爽やかに歌うビートルズ。


今でも伝説になっているプロモーションの違いですね。


まだオリジナルで楽曲を作るという概念がなかった時代。彼らはカバーで実力を付けていったのですが、演奏的にもビートルズとストーンズのアメリカ音楽に対してのカバーのレベルは水と油でした。


色で言えば白と黒です。本人達は当時そこまで意識していなかった、と今では言いますが、断言できます。それは嘘です。


ビートルズは白く(実は黒)カバーし、ストーンズは黒に染まった。


この色の違いが決定的に彼らを変えていくことになります。


なんだか60年代談義っぽいですが、彼らを語るには避けれないほど60年代は激動の時代なのです。


とはいえビートルズはある時期を境に「爽やかなアイドル」から「アーティスト」に変化します。それも世界最高のア-ティストとして、です。表面的な笑顔を捨て、レコーディングスタジオにこもった彼らはサージェントペパー、アビーロードなど歴史的名盤を次々と創作していきます。


一方、ストーンズは自分たちのロックンロールを貫き続けていました。彼らは初めからアーティストだったのです。


ブルーズを起点にした彼らのロックンロールはオンリーワンの存在でした。アメリカのエルビス、イギリスのビートルズとも一線を画し、ひたすらにブルーズロックをオリジナルで追求したストーンズ。それはもう職人のような姿勢でした。


今でも名盤に上げられるレコードを立て続けに排出した60年代後半。音楽の歴史はまさにここが頂点です。ビートルズはホワイトアルバム、ストーンズはベガーズバンケットなどを発表。異常とも言える最高傑作が続々と生まれた時期です。


そして1970年、ビートルズは解散します。


この頃のストーンズははっきりいって無敵です。ロックンロール業界では世界最高のバンドだったといってもよいでしょう。


ところがストーンズも内部的にはそううまくいきませんでした。


ドラッグや音楽性、様々な問題がありました。初代ギタリストのブライアンは謎の死を遂げ(本当に今でも謎)最上のテクニックを持つミックテイラーともうまくいきません。


個人的にはこの二代目ギタリストのミックテイラーがいる頃が一番好きなのですが、その話もまたいずれ。


ミックテイラーが抜け、ゲストとして現ギタリストのロンウッドが参加したのがこの「ラブユーライブ」なのです。楽曲自体は75年から78年までのライブを繋げています。


つまり激動真っ最中、無敵真っ最中、というとんでもない時期のライブ音源がこのラブユーライブなのです。


今でも必ず演奏するストーンズの必殺チューンに加え、ルーツを確かめるようなブルーズ、音源的にもオーバーダビングし、クオリティを高めた今作品。


今現在ロックンロールって何?と質問されたのなら、僕はこれが答えだとこの名盤を差し出すでしょう。これさえ聞いていれば、音楽に対して自ずと色んな答えが出てくるはずです。


初めて聴いたのは僕が19才の時。


友人宅で、僕はあまりのかっこよさに感動し泣きました。音楽を聞いて泣いたのはこれが初めてでした。


ロックとロックンロールの違いなどもよく質問されるのですが、あなたがロックと思っている曲達と、このラブユーライブを聴き比べてみてください。


それが答えです。


ここではっきり言わせていただきましょう。このアルバムを聞いて、あまり好きじゃないと感じた方はロックンロールについて語ってはいけません。ロックンロールを理解するセンスはあなたにはないようです。卑下や批難ではありません。吸う酸素の種類が違う、という事実です。


ロックはロールして初めてロックンロールになるのです。その秘密がこの名盤にあると僕は今でも思っています。


ロックがロールする不思議。ロックとロックンロールの決定的な違い。


言葉なんて伝わらなくてもいい


グルーヴすればいい


正直、映画にも同じことが言えると思います。現代の娯楽作品は言葉で説明を求めすぎていると思います。


作品がどうしてそこまで理路整然としていなければいけないのか?このラブユーライブは、そういった理論性を壊す作品です。バンドってかっこいいだろ!?それだけを表現する音がここにあるのです。ロックバンドをやっているミュージシャンならぜひ感じてもらいたいですね。


今これを書いている我が家では、タンブリンダイスが流れています。


ミドルテンポなのに心から興奮します。テンポは関係ないのです。これが本物なんだ、と僕は今でもはっきりと感じています。


このラブユーライブが発売された後、ストーンズは、解散に追い込まれるほど底辺まで落ちていきます。


世界ではもうパンクが生まれ、80年代になるとアースなど、四つ打ちのダンスミュージックが流行りストーンズはより落ちていきます。90年代はリバイバルでロックンロールが復活します。ブリットポップと呼ばれる形で。ニルヴァーナなど、グランジという新しい音楽も生まれました。


でも解散せずに今でも現役。それが、ローリングストーンズなのです。


このアルバムは音楽史において古き良き時代の最後の、そして最高のアルバムです。ベガーズやレットイットブリードなど名盤は数えきれませんが、今日はあえてラブユーライブの気分です。


真夜中に一人でじっくり、お酒でも飲みながら聞くと、かつての世界の深淵を覗くことができるでしょう。

#ローリングストーンズ #ラブユーライブ #ベガーズバンケット #レットイットブリード

#ビートルズ #ロックンロール #ロック #チーム西の森

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